冬になり、起床時の口の渇きや肌荒れなど、乾燥を感じている方も多いと思います。
一年のうち、もっとも空気が乾燥するのは12月~2月といわれています。愛知県は、全国のなかで12番目に乾燥しやすいそうです。(「気象統計情報(2012年)」より)
風邪やインフルエンザ、新型コロナなどのウイルスは、のどや鼻などの粘膜から体の中に侵入します。本来、のどや鼻の粘膜は、ウイルスや細菌を体の外に排出させることで体を守っています。しかし空気の乾燥により粘膜が乾燥すると、ウイルスや細菌を体の外に排出させる力が弱くなってしまいます。そのため感染症対策には、粘膜の乾燥を防ぐことが大切です。
冬の湿度は、45〜60%が適切とされています。エアコンを使用するとさらに湿度が低下し、30%程度となってしまいます。湿度が低下すると、のどや鼻などの粘膜が乾燥し、抵抗力が低下すると同時に、ウイルスの活動も活発化します。そのため乾燥環境では、風邪やインフルエンザなどの感染症が流行しやすくなります。
部屋の乾燥対策には、加湿器を使用して加湿することが効果的です。加湿器がない場合は、洗濯物を部屋干ししたり、濡らしたタオルを干したり、お湯を沸かしたりすることでも、湿度を上げることができます。
睡眠中は無意識に口呼吸になってしまう方もみえるので、のどの粘膜を守るためにも、睡眠中の加湿は特に重要です。
また空気の乾燥により、体の中の水分が蒸発し、冬にも脱水状態となることがあります。それにより、血液がドロドロになり、血管が詰まることによる脳梗塞や心筋梗塞などのリスクが高まります。
最近は感染予防のため、マスクを使用する機会が多いと思います。マスクをしていると、自分の息で口の中が保湿されるため口の渇きに気づきにくく、知らぬ間に脱水が進行してしまう可能性もあります。
乾燥対策、脱水対策のために、口の渇きを感じなくても、こまめに水分補給をするようにしましょう。
文責 看護師 野口葉月