健康診断などで尿検査をしますが、今回は尿蛋白について説明します。
尿検査は腎疾患の検査を目的とします。
腎臓の微細構造である糸球体の基底膜が障害を受けると、蛋白尿が出現します。
腎炎や糖尿などで基底膜の破壊が強いと、分子量の大きな蛋白も尿中に出現するようになります。
このように尿蛋白は、腎疾患や心血管疾患の危険因子であり、きちんと検査する必要があります。
- 尿蛋白1+~2+
慢性糸球体腎炎、糖尿病性腎症、高血圧性腎硬化症、良性蛋白尿、薬剤性尿細管障害などが考えられます。
高血圧、糖尿病、使用薬剤などを検索します。
- 尿蛋白2+~3+
慢性糸球体腎炎、糖尿病性腎症、巣状糸球体硬化症、腎アミロイドーシス、糸球体微小病変などが考えられます。
血尿の有無、腎機能検査、全身疾患の検索などが必要です。腎臓専門医受診が必要です。場合によっては腎生検を行います。
- 尿蛋白3+~4+
微小変化群、糖尿病、慢性糸球体腎炎、巣状糸球体硬化症、腎ミロイドーシス、ループス腎炎、紫斑病性腎炎などが考えられます。
腎臓専門医受診が必要です。腎生検を行い、診断を確定します。診断確定後、治療方針を決めます。
文責 院長 鳥越勝行