〒485-0825
愛知県小牧市大字下末字山畑
1571-240

健康塾通信 communication

血尿と尿潜血

尿に赤血球が混入している状態を血尿といいます。

そして、大きく顕微鏡的血尿と肉眼的血尿に分けられます。

検査方法としては、尿沈渣法を用います。新鮮尿を採取し、遠心分離をかけ、顕微鏡で赤血球を確認します。肉眼でも赤く見える尿を血尿といいます。

 

これに対して、健診などで行われる尿潜血反応では、試験紙を使用します。尿中赤血球のヘモグロビンの化学反応を用いて、判断します。そのため、擬陽性や偽陰性が出ることがあります。

健診で尿潜血陽性の場合は、尿沈渣検査を行い、実際に尿中に赤血球が混入しているか調べる必要があります。

 

血尿は、腎臓の基本構造である糸球体からの血尿か、腎臓から尿管、膀胱、尿道までのどこかからの出血か、大きく2つに分けて考えます。

糸球体性血尿をきたすものには、糸球体腎炎、血管炎などの内科的な疾患が多いです。

非糸球体性血尿の原因としては、前立腺肥大、膀胱炎、腎盂腎炎、膀胱癌、腎・尿路結石、尿管癌など泌尿器科的な疾患が多いです。

 

血尿を訴えて来院した患者様の原因疾患として、22.2%が膀胱炎、21.0%が尿路結石、12.6%が膀胱癌、5.7%が腎炎、遊走腎が5.7%,3.3%が腎腫瘍との報告があります。

 

血尿、健診での尿潜血陽性があれば、きちんと検査をしましょう。

 

文責 院長 鳥越勝行