食物繊維とは体内で消化・吸収されず、小腸を通って大腸まで到達する食品成分のことをいいます。
食物繊維の働きとしてよく知られているのが整腸作用ですね。
大腸の善玉菌を増やして腸内環境を良くするため、便秘改善が期待できます。
さらに食物繊維には血糖値の上昇速度を抑え、食後の高血糖を防ぐ効果があります。
糖と同じように、食品中に含まれるコレステロールの吸収を妨げ、コレステロールと便を一緒に体外へ排泄する効果もあるため、血中コレステロール濃度を下げる働きがあります。
そして食物繊維には不溶性食物繊維と水溶性食物繊維の2種類あります。
不溶性食物繊維はそばなどの穀類・きのこ類・豆類に多く含まれ、排便を促す便秘改善の働きがあります。
水溶性食物繊維はトマトやごぼうなどの野菜・小麦などの穀類・いも類・豆類・果物・藻類に多く含まれ、
糖の吸収速度を抑え、コレステロール濃度を下げる効果があります。
食物繊維の摂取目標量は18~64歳の男性で21g以上、女性で18g以上とされています。
しかし食物繊維の平均摂取量は15g程度であり、多くの人は食物繊維が目標量に達していないことがわかります。キャベツ半玉で7.2g、人参1本で2.7g、ほうれん草2束で5.6gの食物繊維量がありますが、皆さんはどのくらい食物繊維を摂取できていますか?
食物繊維の摂取量を増やすコツは、3点あります。
1つ目は主食の穀物から摂取する方法です。お米なら精白米より玄米や押し麦などの麦ご飯の変え、
パンなら全粒粉やライ麦のパンの方がより多くの食物繊維を含んでいるため、代替するだけで簡単に
食物繊維をプラスすることができます!
食パン1枚の食物繊維量は2.3gですが、ライ麦パンは1枚で8gあるため、全然違いますよね。
2つ目は食物繊維を多く含む食品を取り入れることです。
食物繊維は豆類・野菜類・果実類・きのこ類・藻類などに多く含まれるため、
普段の食事にプラスするといいですね。
3つ目はサプリや特定保健用食品で摂取することです。
普段の食生活を変えることが難しいという方には、サプリや特定保健用食品を活用する方法もあります。
サンファイバーは飲み物や料理の味を変えず、飽きが来ない水溶性食物繊維です。スティック1包で5g補うことができます。デキストリンは特定保健用食品に多く含まれる難消化性食物繊維であり、食後高血糖や血中中性脂肪の上昇を抑えることができます!上手に活用できるといいですね。
皆さんも食物繊維の種類や効果を理解して、健康寿命を延ばしましょう!
文責 管理栄養士 上村優衣