頭痛は、日常的によくある症状です。とくに日本では人口の8.4%が片頭痛に悩まされていると報告されています。
しかし、命にかかわる頭痛もありますので、今回は頭痛について書きます。
一次性頭痛
【1】片頭痛
一般に片側性の拍動性の頭痛(ズキンズキンと脈打つ痛み)で悪心・嘔吐を伴います。頭痛は強く,身体を動かすと頭痛が増強します。両側性の場合もあります。
光、音、臭いに過敏になることが多いです。また、頭痛の前触れがあり、視野の中心にギラギラ光るものが見えたりします。
女性では男性の3~4倍起こりやすいと言われてます。
【2】緊張型頭痛
頭をしめつけられるような頭痛で両側性に生じることが多く、中等度の頭痛で、日常生活に支障は少ないことが多いです。日常的動作による増悪はなく、悪心・嘔吐はなく、光や音に対する過敏もほとんどありません。
【3】群発頭痛
片側の眼窩付近,側頭部に生じる強い頭痛です。
眼球結膜の充血,流涙,鼻汁などのような症状を伴うことが多いです。
頭痛発作時に落ち着かなく動き回る点が片頭痛と大きく異なります。
数週~数か月の間,この症状が続き,その後,頭痛は消失しますが、数か月~数年たつと,再び頭痛が始まります。
片頭痛は女性に多いが,群発頭痛は男性に多いです。
二次性頭痛
- くも膜下出血
バットで頭を殴られたような強烈な頭痛が起きます。頭痛に引き続いて、腰や下肢に強烈な痛みやしびれを訴えることもあります。
脳動脈瘤の破裂が原因です。脳神経外科よる緊急処置が必要です。
- 動脈解離
心臓血管外科による緊急処置が必要です。
【3】脳出血,脳梗塞
脳神経外科による緊急処置が必要です。
【4】急性緑内障
眼圧が急に上昇したことにより、眼痛や頭痛が起きます。
嘔吐を伴うことが多く、結膜充血なども認めます。
すぐに眼科を受診しましょう。
【5】側頭動脈炎
男性の高齢者で,拍動性の側頭部痛を認めます。側頭動脈炎は血管炎です。
まずは確定診断が必要ですので、主治医に相談してください。
【6】髄膜炎
治療を急ぐ必要のある疾患であり,早期に正確な診断をつける必要があります。
以上のように頭痛には様々な原因があります。
特に片頭痛でお困りの方には、発作予防の注射剤もあります。
頭痛でお困りの方はぜひ主治医に御相談ください。
文責 院長 鳥越勝行