新型コロナウイルス変異株について
厚生労働省は12月25日、英国で報告された変異した新型コロナウイルス感染症(変異株)が国内で初めて検出されたと発表しました。
英国で報告された変異株について、WHOは12月21日、従来よりも最大70%感染しやすい可能性があることを指摘しています。国立感染症研究所は、新型コロナウイルスの変異株について、「現時点では、この新規変異株に関連した重症化を示唆するデータは認めない」とのことですが、「症例の大部分が重症化の可能性が低い60歳未満の人々であり、評価に注意が必要」としています。また、ワクチンへの有効性への影響は不明としています。
英国は事実上のロックダウンに踏み切っています。日本政府も28日から、すべての国・地域からの外国人に対して新規入国を停止します。日本から海外への短期出張者については14日間待機免除措置を中止します。
変異というと、恐怖感がありますが、実はウイルスが変異することは普通のことです。ウイルスは自己複製しますので、そこでいつも少し変異が起きます。それがウイルスの世界では変異と呼ばれ、変異したウイルスは変異株と呼ばれます。
ほとんどの場合、これらの変異は、感染力などに影響はありませんが、元のウイルスよりも環境に適したウイルスになり、特定の環境でより支配的なウイルスになってしまいます。
ウイルスに変異はあるものの、新型コロナウイルスであることに変わりはなく、これまでの対策は有効で、実施し続けましょう。
変異したウイルスにもこれまでと同じ検査方法が使えます。抗原検査や短時間で診断するための検査も変異ウイルスに有効です。
検査、隔離、治療、追跡、手を清潔に保つことや人と人とが距離を取ること、室内の換気をよくすること、特に今、休暇期間に家族で集まるときには窓を開けて、新鮮な空気を取り込むことがとても大切です。必要な時にはマスクをつけることももちろん大切です。
文責 院長鳥越勝行